ネパール05|5日目 その①

(ポカラ ~ エクレ・バッティ)

5時起床。6時出発。

いよいよポカラからジョムソムへ。トレッキングの開始である。

7時20分、20人乗りの飛行機が離陸した。

すぐマチャプチャレが眼前に見える。圧倒される。アンナプルナ山郡を右窓に見ながら谷間を飛行する。すばらしい景観だ。私は「とうとう来たぞ」と心の中で叫んだ。

飛行機からの景色


飛行時間20分くらいで左の窓にタウラギリⅠ(8167m)が見えると、ジョムソムの飛行場である。飛行場は、谷間の河原に簡易に作ったようなものであった。我々の飛行機は舗装していない滑走路に叩きつける様な着陸をした。

飛行場のフェンスの外には、ポーターに雇ってもらいたい人々が集まっていた。ガイドのドゥルガ氏は、その中から15歳のポーターを1日300ルピー(600円)で確保した。ジョムソムにはネパール軍の施設があり、対中国に備えているそうだ。

ガイドのドゥルガ氏

15歳のポーター


街は200mくらいの沿道にトレッキングロッジ、土産物屋、等の混じった小規模な空間のようで、黒澤映画の用心棒の舞台のようなところであった。

突然、K氏がガイドのドゥルガ氏を呼び寄せ、怒り始めた。「我々はゲストでリーダーだ。君は我々よりも先に行ってはいけない」先に先に歩いてゆくガイドに腹を立てたようだ。ガイドは神妙な顔つきをして、素直に謝っていた。

K氏は、前々回来たとき、雇ったガイドに優しくしすぎて、舐められて、大酒を飲まれ、翌朝の出発時間に寝坊し、ポーターが今日はガイドだと言われ、そのガイドを途中で解雇した苦い経験があった。それで、舐められないように一発噛ますチャンスを狙っていたのだと言っていた。トレッキング出発前に、我々はまず、ガイドの知り合いのロッジで朝食をとった。

 

 (ジョムソムからカグベニまで)

ジョムソムの街は、沿道が蛇のようにクネクネと伸び、思ったよりも大きかった。

街外れはカリ・ガンダキ川の大きな河原にぶつかる小学校の所の先。それからカクベニまで河原をどこまでも、どこまでも、歩いていくのだ。

この河原では、アンモナイトの化石がとれる。我々はアンモナイトの化石を探しながら、途中2回ほど休んで、今日の予定の休憩所、エクレ・バッティまで河原の中を歩き続ける。

ジョムソムの沿道、カリ・ガンダキ川の橋

カリ・ガンダキ川の河原。アンモナイトの化石が採れる

遠くにエクレ・バッティの村が見える


若いポーターは、ゴム草履で、荷物を軽々と持ち上げ、はるか先を歩いている。そのうち見えなくなってしまう。しばらくすると、我々が休憩しそうなところで、待ちくたびれた顔をして待っている。

やがて、エクレ・バッティとカクベニの見える場所までたどり着く。そこからが結構ある。途中、何頭もの馬に荷を乗せジョムソムに向かう馬上の業者、ロバの群を引く人、荷を背中に担ぎ素足で早足にすれ違う人、欧米人のトレッカー等の人々に行き交う。ここでは、交通手段は、馬、ヤク、ロバ、人力であり、情報伝達手段は、口頭伝播、視覚、聴覚等…極めて原始的な世界だ。

この時期(10、11、12月)は、トレッキングのベストシーズンなのだそうだ。ヨーロッパから多くのトレッカーが来ている。5、6人のグループ、夫婦、女性のペアー、等。中には、逞しいとしか形容できないがっちりした女性が一人でトレッキングに来ていたりする。

ネパール語の「ナマステ」の挨拶を掛合いながら、すれ違う。

エクレバッティは、お土産とレストランの小集落だ。ここでミルクティーを飲んでゆっくり休息を取る。

ここからカクベニまでもう少しだ。

トーク・パル 加藤隆夫の趣味と雑記の『五感を震わす快楽』

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